Scent Architecture(Space Design) として初めて、ランドスケープスケールでのフレグラントデザインに挑戦しました。
香りと大気の関係は極めて密接であり、自然界の気流や人の流れによって常に変化する大気を、感覚的かつ建築的な視点から捉え、独自に計測・研究してきました。
今回はメインステージに加え、シークレットのメディテーションスポットも設計。メインステージで使用した香りは、周辺植生のリサーチを通して導き出した「ヨモギ」を主軸にブレンドしました。古くから人々と深く関わり、全国各地に自生するこの植物を使うことで、より自然に空間とのつながりを感じてもらえると考えたからです。メディテーションスポットには、Ahare Space Projectが設計したオイルバーナーを設置。森の灯台を思わせるこの什器はステンレスで製作され、周囲の景色を映し出し、まるで止石のように静かに佇んでいました。風をもっとも感じられる川辺に設置されたこの香りの灯台は、キャンドルの火によって香りを焚き上げ、風に乗せて空間に漂わせました。川のせせらぎや炎のゆらぎと響き合いながら、訪れる人の心に穏やかな時間をもたらしました。